タイガーウッズといえば、ゴルフを全く知らない人でも名前を聞いたことがあるというほどの圧倒的な知名度を誇るプロゴルファーです。

飛ばせる飛距離、グリーンに乗せる確率(Green In Regulation)、アプローチやパッティング技術の高さ、そして何より奇跡のようなプレーを起こすことから非常に高い人気を誇っていました。

かつてゴルフ世界ランキング1位に君臨していたタイガーも、2009年11月に起きた不倫問題や度重なる故障などから少しずつその輝きを失っていきます。
一時は世界ランク1199位まで下落。
手術によってゴルフはおろか日常生活さえままならなくなるほど事態は深刻でした。
現役引退もささやかれた彼が2018年、劇的な復活優勝を遂げるまでの道のりを紐解いていきます。

 

暗雲が漂い始めた2009年。不倫の発覚とケガに苦しむ

タイガーウッズは2008年、32歳6か月という若さでトリプルグランドスラムを達成します。
同年に左ひざを4月と6月の2回にわたって手術・長期離脱を余儀なくされます。
左ひざは2002年12月に前十字靭帯にある異物除去手術でメスが入っていた古傷でした。
軟骨損傷などでその後のキャリアが危ぶまれるものの翌年2009年3月の大会で復活優勝を果たし周囲を驚かせました。
その一か月前の2月8日には第2子を授かっており、7月以降の大会でも連続優勝。
PGAツアー優勝回数を70という大台に乗せ、ケガも克服、公私ともに順風満帆なように見えました。

しかし、そんな2009年の11月、タイガーウッズの不倫が発覚。
その際に運転した車での交通事故によりケガを負ってしまいます。
世間を騒がせた代償として無期限のツアー欠場を表明。
2010年にはツアー復帰を表明しますが、不倫問題への対処、ケガ、周囲からのパッシングなどで思うようなプレーができず成績は長期低迷するようになります。

 

タイガー復活か?2012年のアーノルド・パーマー招待での優勝劇

しばらく上位争いから遠ざかっていたタイガーでしたが、2012年3月22日~3月25日にかけて開催されたアーノルド・パーマーインビテーショナルカップで優勝することになります。

2位のG・マクドウェルに5打差をつけ通算13アンダーで圧倒的な強さを示しての優勝となりました。
2009年から続いた度重なる故障に耐え抜いての復活優勝。
2010年には椎間関節の故障、2011年には何度も手術を受けている左ひざに内側側副靭帯捻挫とアキレス腱挫傷を負います。

直前の3月初頭に開催されたWGCキャデラック選手権でもアキレス腱挫傷が再発し途中棄権を余儀なくされていました。
同時に前年である2011年は故障の影響でまったく練習ができない日々もあったことを告白。
コーチをショーン・フォーリー氏に変更してからおよそ2年、自身では約2年半ぶりとなる優勝に「事態は前進している」とコメントしていました。

つづく2013年にもプレイヤーズ選手権で優勝。
2013年3月時点で世界ランキング1位に返り咲き、完全復活を遂げたようにも見えました。

 

2014年~タイガーを襲う悲劇!ひざのほかに腰の大きな故障に悩まされる

ところが2014年に入って間もなく腰の異常が見つかります。
椎間板の切除手術が必要になるほど事態は深刻でした。
試合出場数は7試合(2試合は途中棄権)にとどまり世界ランキングも大きくランクダウンすることとなります。
これを機に2014年末にはコーチをショーン・フォーリー氏からクリス・コモ氏へ変更。
しかしながら、マスターズへの出場ができなくなるなど再び暗黒の時代へと突入することになります。

 

2015年~長期低迷するタイガーにとって地獄のような期間

再起を期した2015年でしたが、2月にはキャリアで自己ワーストを更新するスコア82を計上。
一時はツアーで暫定最下位に沈む瞬間が見られるなど、かつての強さが影をひそめてしまいます。
5月には早くも自己ワーストスコアを更新する「85」を計上。
ケガによる影響で練習ができず、スイングを安定させることができません。
さらに思うようにプレーできない苛立ちやストレスなどから「イップス」と呼ばれる精神的・身体的症状にも悩まされることになります。
周囲のプレッシャーもあってか、ボールを打とうと構えただけで筋肉が硬直して思うように動かなくなったりメンタルの影響で心と体の動きが一致しない現象に苦しみます。
大会を途中棄権することが多くなり、タイガーにとって非常に苦しい時間を過ごすことになりました。

 

2015-2016シーズンのタイガーは正式なツアー試合の出場数ゼロ!

深刻化する一途の腰の容態に、このころのタイガーは記者会見で「前向きになれる要素が1つもない」「日によって状態が一進一退」「復帰時期は予定できない」と絶望的な心情を吐露しています。
腰の痛みは臀部にまで広がり、9月には3度目となる腰の手術に臨みました。
正式なツアーへの出場回数はゼロ。
このとき世界ランキングは400位にまで低下していました。

 

2017年~タイガー自身4度目となる腰の手術を断行!再度、長期離脱を強いられる!

2017年2月の大会も腰の痛みによって途中棄権を余儀なくされました。
4月には自身4度目となる腰の手術を受けることになりました。
回復には半年はかかるとされ、この年の試合出場も絶望的となります。

 

2017年~タイガー衝撃の逮捕劇 転落したスター選手として報道される!現役引退についても吐露!

4月に腰の手術を受けてから1か月後の5月29日、衝撃のニュースが世界を震撼させました。
タイガーいわく「処方薬の副作用で異常な反応はおきた」とされる事件で警察に逮捕されることになります。
変わり果てたタイガーの姿は日本でも大々的に報道され、ファンには大変心苦しいニュースとなりました。

9月には、ゴルフの練習を再開しますが、60ヤードのショットを打つのがやっとという状況。
9月27日に行われた会見では、現役引退も覚悟しているといった趣旨のコメントも残しています。
この時点では、世間的な評価も喪失、ゴルフどころか歩くこともままならず、本当に絶望的な状況に置かれていたことが分かります。

 

2018年~信じられない回復具合と劇的な復活優勝!

そんなタイガーも地道なリハビリをこなして2018年1月にツアーへ復帰します。
世界ランクは2017年には、一時1199位まで下落していました。

「また大ケガをして離脱するのでは?」
と心配そうに見つめていたギャラリーとは裏腹に、少しずつプレー感覚を取り戻していくタイガー。
復帰戦となったファーマーズインシュランスオープンでは23位と復活の兆しを見せ始めます。
3月開催のバルスパー選手権で準優勝と躍動すると、ツアー上位に顔を見せることが多くなっていくタイガー。
ほんの少し前までなら信じられなかったほどの活躍ぶりをみせ、7月、8月の大きなメジャー大会でも上位に食い込みます。

クラブシャフトを使い慣れた三菱ケミカルのアイテムに変更し、かつての力強いスイングも封印。
本当はまだ痛むであろう故障した左ひじやひざ、腰などへの負担を抑えたスイングで、驚異のパフォーマンスを披露します。

圧巻だったのは、9月20日~23日にかけてジョージア州で行われたツアー選手権。
この大会は、フェデックスランキング上位30名が出場する非常にレベルが高い大会として知られる1戦です。
この大会でタイガーは初日からトップに立つと、通算11アンダーで2位に2打差をつけて劇的な復活優勝を果たします。
およそ1876日ぶりのツアー優勝と米ツアー通算80勝目(史上最多はサム・スニード選手の82勝)を達成すると「自分にとっての精一杯のプレーをした。(優勝したことについては)本当に泣きそうだ」と素直な心情を吐露しています。
長く続いたつらい時期。

一時は現役引退もささやかれた状況からの見事な復活劇は、タイガー自身だけでなく長年彼を見捨てずに応援し続けてきたファンの涙も誘う結果となりました。

 

まとめ

若くしてゴルフ界のレジェンドとなりつつあるタイガーウッズ。
奇跡的なゴルフのプレーだけでなく、困難にもめげずに歩み続ける彼の人生にも魅力が詰まっているといえるでしょう。
残念ながら2019年のアーノルド・パーマーインビテーションカップには首の痛みを理由に欠場することが発表されました。
今後が心配される状況にはありますが、多くの困難を克服してきたタイガーならきっと乗り越えてみせることでしょう。
今後の活躍をそっと見守っていきましょう。

 

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